あなたがたのために ルカ22;7~20

「これは、あなたがたのために与える、わたしのからだです、」
                                  ルカ22;19
  この言葉は、教会で行われる聖餐式の式文に用いられている言葉です。いま、キリストはその十二人の弟子たちとともに「最後の晩餐」の席についておられる。 翌日は十字架にのぼって行かれるイエスのいつも違った緊張と苦渋のいろが、にじみ出ていたでしょうが、弟子たちはだれもそれに気づいてはいなかった。
 それどころか、この弟子たちの中に、イエスを敵方に売り渡そうとする者がいた。さらに、何も知らぬ弟子たちはこの期におよんで、「誰が俺達の中で一番偉いのだ」と、分不相応な権力争いをしていた。さらに、キリストが特別目をかけて期待し訓育してきたペテロがやがて、イエスのそばで「わたしはイエスなんぞ絶対知らない」と、拒否する・・・、そんな弟子たちに向かって、イエスは
「あなたがたのために・・・」「あなた方の救いのために」身代わりになって十字架にかかろうとしておられたのです。
 「豚に真珠」「猫の小判」「馬鹿弟子に、溢れる恩寵を」、神は、キリストを通して与えようとしておられるのです。もったいない。

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