生き甲斐を求めて  マタイ4:4

説教要旨
  「人はパンだけで生きるのでなく、神の口から出る一つ一つのことばによる」                             マタイ4:4
 人は人間らしい幸せな生活を求めて生きています、が。「生きる」と何か。昔、生命科学者のオパーリンは 生命体とは「自己栄養摂取」と「細胞分裂・自己繁殖活動」をしななければ・・・と。これは言い換えれば「食って」「子孫の繁栄」に励むことが、生命体の最低の条件という。でも、それだけで「人間らしい生き方」とは言えません。日本国憲法は「万人が文化生活する権利」を保証している。文化生活とは、食って寝るだけでなく「教育を受け、医療を受け、もちろん水、食糧も与えられる」生活を言うのだそうだです。 世界第二経済大国である日本では、物質的にはあらゆるものが満たされて何の不自由もありません。むしろ、飽食・食べ過ぎで肥満で悩んでいる人が多い。一日1ドル以下の生活を強いられる貧困層は20億人もいるというとき、日本はいま以上の「文化生活」は期待できないでしょう。
 では、日本人は世界で一番幸福な生活をしているか。いや、そうでもないようです。ここ10年ほど毎年3万人以上の自殺者がでていること、それは国連加盟国191カ国中7番目に高い数字です。
 これは物質繁栄が人間の幸せと余り関係のないことを示しているのではないか。幸福の青い鳥は、どこに行っても探し出すことはできない。繁栄、文化生活も「人間らしさ」を保証してくれないとなるといったいどこに「生き甲斐」を求めればいいのでしょう。
 イエスの教えられました。
 「人はパンだけで生きるのでなく、神の口から出る一つ一つのこ  とばによる」
  パン・物質だけでは生きられない「ことば」が必要と明言されているのです。人間の「ことば」でも、人に勇気を、慰めを、喜びを与える不思議な力があります。まして、神のことばには、さらなる威力があるのです。「神のことば」を、もう一つの糧として求めていくしか「人間らしい」生きる道はどこにもないのでありませんか。

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